はじめに
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リプレースに際してOSを含めたバックアップソフトのライセンス費用のコスト面も問題だった。加えて、日々のバックアップ確認はサーバー毎に異なっていたので時間がかかっていたがSynologyの一元管理を導入することで1/10ほどの時間短縮につながった
技術部部長構築チーム 政邦雄氏
課題
以前は、社内の複数あるストレージサーバーにそれぞれ異なるベンダー製品を利用して社内システムを構築していたが、運用している中で様々な問題点が浮き彫りになってきた。その中でも大きく分けると3点の課題であった。
1つ目はバックアップの管理に関する問題である。異なるベンダー製品を使用していたためにそれぞれの機器でその製品に適したバックアップを行う必要があり、バックアップの一元管理ができず、異なるバックアップアプリケーションが動作しているため機器同士での連携が難しい状況であった。
2点目はバックアップのコストの問題である。現状市場に出ているバックアップパッケージはサブスクリプション形式の費用体系を取っていることが多い。会社の成長と共にデータ容量は増え、それに比例してバックアップ費用も増加する。際限なく増え続けるコストにいち早く対応する必要があった。
3点目はBCP対策への課題だ。仮想化用のストレージ上にて社内システム関連のアプリケーション、ADサーバーや在庫管理システム、グループウェアを構築していた同社は、障害が発生した際に多くの業務が停止するリスクを抱えており、可能な限りシステムのダウンタイムの短いソリューションが必要であった。
ソリューション
分散するバックアップデータの管理、際限なく増え続けるバックアップコスト、冗長化に対応するストレージ、多くの課題を同社はSynologyで解決した。
Synology NASでは様々なデータをNASにバックアップするための豊富なパッケージが提供されている。バックアップの一元化として、同社ではActive Backup for Microsoft 365(ABM)を使用し、Microsoft 365に紐づいている約70名のアカウントのバックアップを行っている。またActive Backup for Business(ABB)を使用し、他のSynology NASやDellサーバーの仮想マシンなど合計17台のバックアップを行い、Synologyシステムにて社内に点在するデータを一元化してバックアップする構成を実現している。
障害発生時のシステム復旧の高速化に関しては、Synology High Availabilityにて障害発生時のダウンタイムの短縮を実現し、同社のビジネスの継続性を確保している。ファイルサーバーとして利用しているFS1018や仮想マシンとして利用しているFS2500は同社の基幹システムを動かすのに使用されており、それぞれHAを構築することでビジネスの継続性を強化している。
(左)技術部構築チーム課長代理 市村勇翔氏 (右)技術部構築チーム主任 田村遼氏
利点
Dellサーバーの仮想マシンや、複数のSynology NASなど17台の機器が存在する同社では、毎日バックアップが問題なく取れているか確認する業務が発生する。Synology NASに一元化してバックアップを行うことに変更してからは、NASにログインしてバックアップが成功するか確認するだけで済むようになった。「以前のバックアップソフトウェアではバックアップが取得されているかサーバーごとにログインする工数があり、毎朝30~40分ほど時間を費やしていたが、ABBでは一元的ダッシュボードを一目みれば確認ができるため1~2分の確認作業へと大幅に減った」と市村氏は語る。
また同社ではSynology NAS以外にもDellサーバーの仮想マシンやMicrosoft 365など様々な場所にデータが点在する。多くのシステムや媒体が存在するためにバックアップを一元化する難易度は一般的には高いが、SynologyはWindowsやLinux、Macなど基本的なPCやサーバー、VMware vSphereやMicrosoft Hyper-Vなどの仮想マシン、Microsoft 365やGoogle WorkspaceなどPC、仮想マシン、パブリッククラウドなど様々な機器のバックアップを行うことができることがバックアップの一元化を現実のものとする。
なお同社では現在Microsoft 365の丸ごとバックアップも行っているが、「社員各々の使い慣れているメーラーを利用しているため、以前のソフトではOutlookの復元は簡単だったが他のメーラーの時は復元にコツが必要だった」と政氏は当時を振り返った。ABMの魅力の1つでもある、各DSMユーザーアカウントに割り当てられた復元ポータルにより、管理者権限以外の社員でも自由に復元できることが上記の悩みを解決した。
以前はバックアップをそれぞれの機器に応じて、他社のバックアップソリューションを使用していた同社では、データ量やアカウント数などに応じて増え続けるコストに悩まされていた。
しかしSynologyのバックアップソリューションに変更してからは、バックアップコストが一定化され分かりやすくなった。現在Active Backup for Microsoft 365を使用して70アカウントのバックアップとActive Backup for Businessを使用して約17台の機器のバックアップを行っている同社だが、今後ビジネスが拡大しバックアップの必要な人数が増えたとしても追加でライセンス費用を払う必要がない。アカウント数やデータ量に比例してコストが増える多くのバックアップソリューションとは違い、初期コストのみで追加費用が発生しないのが、Synologyが提供するバックアップソリューションの魅力の一つだ。
社内の基幹システムを動かしている仮想マシンのストレージや、よく使うデータを保存するファイルサーバーは、同社のビジネスの要であり仮に障害が発生したとしてもなるべく早く復旧し、ビジネスの継続性を高める必要がある。
可能な限り障害発生時のシステムのダウンタイムを短くしたいという同社の願いをSynology High Availability(SHA)が実現した。2台の同一のNASをアクティブサーバーとパッシブサーバーとして構築し、常にNAS間で同期をさせることにより、アクティブサーバーに障害発生した場合は、自動でパッシブサーバーに切り替えて運用する。システム復旧時間をアクティブサーバーからパッシブサーバーに切り替わる、わずか数分のみとし同社のBCP対策として利用されている。
同社では基本的にはバックアップ及びファイルサーバーとしてSynology NASを活用してきたが、最近監視ソリューションであるSurveillance Stationを使用して技術センターと本社の2拠点の監視も始めた。「以前のシステムでは特に導入をしていなかったが、Synologyの無償パッケージに監視ソリューションがあり、UIが分かり易いということで気軽に試してみることにした」と監視サーバー担当の田村氏は言う。
現在はIPカメラを全体で9台、技術センターに5台、 本社新宿には4台設置し、DVA1622(技術センター設置)をCMSホストサーバーとして立て、CMS記録サーバー(NVR1218)を接続している。通常の監視録画だけでなくDVAシリーズのAI解析機能(侵入検知)も利用している。
「トリガーが発動される前後の5秒間をもクリップとして保存されるので、検知対象の人物の流入がわかることに感動した」と田村氏は教えてくれた。
アプライドテクノロジー株式会社は、1984年の設立以来、長きにわたり培ってきた技術力およびに人材力で中古機器も活用したICTサービスや、ハードウェアの第三者保守・再販、輸出入を中心にした海外マーケットとの取引を礎に、レンタル、販売、構築作業、ヘルプサービスなど新しい取り組みも積極的に展開しているシステムインテグレータである。東京に本社と技術センターを構え、大阪に昨年、営業所を新設した同社はSynology 製品を商材として取り扱うだけでなく、自社でも導入し社内業務の効率化とSynology製品へのノウハウ蓄積に磨きをかけている。
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