はじめに
デモ、製品の推奨事項、展開に関するアドバイスを専門家にお問い合わせください。
アニメーション動画は静止画の連番であり、Google Drive で保存をするとダウンロードに時間がかかるが、Synology NAS に保存すればアニメーション動画の読み書きを素早く行うことが可能だ。
東京工芸大学芸術学部アニメーション学科から委任されたシステムインテグレーター
株式会社アトリエショコラ 代表取締役 小藥高志氏
課題
東京工芸大学芸術学部アニメーション学科のシステム構築を担当したアトリエショコラの代表・小藥氏の前には3つの課題があった。
1つ目は、メインサーバーの容量圧迫の問題だ。アニメーション学科には他社サーバーが既に導入されていたが、学生達が卒業制作として作成した動画で空き容量が既に残り僅かであった。
2つ目は、学生達が日々作成する動画を各教室内で自由に保管できるファイルサーバーの需要であった。学生達は基本的に Google Drive 上にデータを保存しているが、毎回クラウド上に映像などの容量の大きいデータを保存するのには転送時間がかかるため、教室内に簡単に保存したいと渇望する声があった。また教授の要望としても生徒たちに必要な資料を一度に配ることが可能なファイルサーバーが欲しいという声があった。これらの願いを叶えるためには、誰でも簡単に使用できるファイルサーバーが必要だった。
3つ目は、PC のバックアップが行われていなかったという課題だ。アニメーション学科では Windows と Mac の両方を完備し、併せて150台ほどの PC があるが、PC のバックアップは行われておらず、問題が発生する前に Windows PC と Mac の両方のバックアップを行う必要があった。
ソリューション
小藥氏はメインサーバーの容量圧迫問題、学生達が気軽に使用できるファイルサーバー、Windows と Mac PC の両方のバックアップの問題、それら全てを Synology で解決した。
メインサーバーの容量圧迫問題に対して、アーカイブ用として保存しておく必要はあるが実際に使用することのない卒業課題の動画を Synology DS916+ に移動させ、保存するという解決策をおこなった。Synology NAS は SMB、AFP、NFS、FTP、rsync など様々なプロトコルに対応しており、多くの環境に対応できるのが強みである。故に、既に導入されていた他社製のメインサーバーからSMB 経由で簡単にデータのコピーを行うことができ、メインサーバーから DS916+ にデータを移行し、メインサーバーの容量を確保することに成功した。
学生達が気軽に使用できるファイルサーバーの需要に対しても、Synology は応えることができた。Synology NAS の DSM の UI は分かりやすく、各教室に設置された NAS は教授が管理者として自由に使うこととなったが、IT分野専門の教授でなくとも簡単に操作し使いこなすことができ、好評だ。
最後に Windows PC と Mac PC のバックアップであるが、Windows PC のバックアップには Active Backup for Business を使用し、Mac PC のバックアップには Time Machine を使用することで Windows PC 75台と Mac PC 75台の合計 150台の PC のバックアップを一元管理することができた。現在は Active Backup for Business でタスク設定を行い、自動で月に1度 Windows PC のスケジュールバックアップを行っている。
▼ 導入したシステム構成の一部
利点
Synology を選択した最大の利点は Synology NAS に付属している豊富なパッケージだ。今回は単純なファイルサーバーとしての利用だけでなく、Active Backup for Business を使用したバックアップとしての利用など様々なパッケージを使用することを想定した。実際に Active Backup for Business を使用したバックアップを行ってみると想像よりも簡単にバックアップを行うことができ、完璧なデータ保護を行うことができた。さらに既存の使用環境に簡単に組み込めることができるのも魅力だ。もともと大学には他社 Active Directory サーバーが導入されていたが、Synology NAS は他社サーバーの環境にも適応することができ簡単に拡張することもできた。
加えて、使用する機能が増えれば増えるほど追加課金の必要があるのだろうかという考えがよぎったが、その不安は払拭された。Synology は数あるパッケージのほとんどを無料で使用することができ、NAS と HDD の費用だけで多くのことを実現できたのだ。
現在は、既に新しく SA3200D を購入し、SA3200D に 3台の DS916+ 内にアーカイブした卒業制作動画を一元管理し、学科保有の 4K・イマーシブオーディオの上映に対応した大容量データを扱うことのできる「マイブリッジシアター」との連携を試みる。シアターの実際の上映設備を使って、編集や映像の確認をし、完成した映像をVideo Station にて学生達が自由に閲覧できるようにしようと思案している。
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